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うにと僕とオンボロハウス…時々彼女?? [記憶]


うには相変わらずキョロキョロしている。

うにと暮らし始めて以来、仕事で初めて家を空ける事になりましたが、
彼女はうにの面倒を見ていると言ってお留守番してくれることに。

その姿勢は頼もしいが、若干不安だったりもしました。

勤務時間中、うにと彼女と家にことが気になり、なんどか彼女とメールでやりとりをしました。

「全然大丈夫だよ」

と余裕を見せつけられました。

その日の仕事を終え、同僚の食事の誘いを断り、真っすぐ家に帰ることにしました。

お家の前に着くと、部屋から明かりが漏れていて、少し新鮮な気持ちを持ち、部屋に入りました。

「ただいま」
「おかえり」

このやりとりも、今思えばこの日から始まったのだなと思い出に浸ったりします。

玄関扉を開けてる状態にしておくと、うにはすぐに脱走しようとするので、
僕が扉を閉じたのを彼女が確認してから、彼女はリビングの扉を開けてウニを解放する。

ニャーと鳴き、僕の足下まで駆け寄ってきました。

足の指先と仕事で履いていた革靴の底をクンクンと臭うウニ。
彼女が苦笑いしながら、僕の顔をちらりと見ました。

「別に臭くないしな…」

と強がってみたりと…。

臭いを嗅ぎ飽きたのか、次は僕にお腹を見せ、両手両足を上げて僕を一点に見つめます。

無情に可愛くなり、すぐにウニを抱き上げ、うにのホッペに自分の顔をこすりつけてみました。

予想はしてましたが、嫌がる様子はとても激しく、僕の腕の中から勢いよく抜け出しました。

「そんな嫌がらんでも…笑」

いや、そんな擦り付けやんでも…とウニは思っているはずですね。

その光景を彼女が見て微笑んでいて、その様子を見た僕も微笑ましくなり、
なぜなのか、この日からこの3人の暮らしがほんのりとスタートし始めたのです。




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