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不法侵入 [記憶]

ウニは、隣接してる隣の住宅との塀壁の上に座っていました。

足音消して、そーっとウニに近づきます。

ウニはまだ僕に気づいていない様子で、大きなあくびをして呑気な面を見せていました。

少しづつ近づいてきました。

やがて、大きくを手を伸ばすとウニに触れることができる距離まで近づきました。

が、…僕に気づいたウニは瞬時にその壁から降りて、隣人宅の庭へと入り込んでしまいました。

「うーわ!」

そこはもう他人の陣地。もちろん入り込んでしまうと、不法侵入罪で訴えられてしまうことも。


しかし…その時はそんな冷静ではいられなかったんです。

そんな当たり前な判断ができず、僕はウニを捕まえることだけに必死でした。

一瞬こんなことを頭の中で過ぎりました。


脱走したことを理由に、飼いたくても飼えないで済む口実にできる。

結局、家で飼うよりは、野生でいたならこれからも野生でいるべきだ。

総合的に、ウニにとってはこのほうが良い…

などと、頭の中で御託を並べて、それでこの状況を相殺しようとしている自分がいました。

が、頭の中とは正反対な行動をしてしまいっており、
僕はそれでもひたすら捕まえるのに必死な行動だけをしていました。

気が付いたら、人の家の庭に入り込んでしまってました。

その庭はとても広かった…

松の木や、人工的に作られた池やその中に鯉などが泳いでおり、
絵に描いたような大物政治家宅を連想させるかのようなロケーションに少し驚きました。

すると、ちょうど私の目の前に大きな掃出し窓があり、
窓越しにはおよそ70代~80代のおじいさんとおばあさんと目が合いました。

僕は風呂上りのパンツにTシャツ恰好。(それどころじゃなかったので…)

おじいさんとおばあさんは、ニコッと私に向けて微笑みかけたのです。

僕も反射的に微笑み返しました。「ははは…どうも…」。

傍から見たら完全に不審者で、且つ人の庭に入り込んでいるこの状況をおばあさんたちは
まったく理解していない様子でした。

もしかしたら、おばあさんたちがもう10歳若かったら、とっくに通報され、
僕は警察たちに飛び込まれて取り押さえられていたことでしょう。

ははははは…どうもどうも…お邪魔しまーす…

そう言い残し、僕はウニを捕まえに再行動しましたが…

その時にはもう、ウニの姿はなく、まったく行方がつかめない状況と化していたのです。






ウニのプリズン・ブレイク的な出来事 [記憶]


初めての病院に連れていってから数日が経ち、
炎症を起こしていた足もようやく地面に着くことができるほど回復していました。

さぼっていた体力がリバウンドするかのように、ウニは部屋のあちこちを走り回っていました。

バタバタ…

ドスンっ!

バタバタ…

部屋中から繰り返し聞こえるその騒音に耳を塞ぎたくなる気持ちにもなりましたが、
足の炎症ですっかり元気をなくした数日前のウニを思い浮かべれば、それは微笑ましい光景と音。

僕は彼女と親が子を見守るような眼差しで、そんなウニを微笑ましく見ていました。


やがて走り疲れたのか…
最近頻繁によく寛ぐウニの「定位置」に移動し、そのまま座り込みました。


その日、彼女と僕はお互い仕事が休みで、いつも通り部屋でくつろいでいました。

比較的天気が良かったその日、季節はまだまだ寒さが続く2月の中旬をさしかかろうとしていた時期。
太陽は燦々と照り、眩しいほどの日差しが部屋を差し込んでぽかぽかしていました。

灯油ストーブを焚いていたこの部屋に喚起をしたかったので、各窓を半開き状態し、
少し部屋の掃除をしました。

水につけた雑巾を手で絞り、フローリングの端から端まで一休さんのように拭いていく僕の傍らで、
家具などについている埃を丁寧にふきとる彼女。

ぴくりとも動かないウニがただただ僕たちを見つめていました。

お互いがそれぞれの役割分担で部屋掃除を行い、それなりの汗をかきました。


頑張った自分たちのご褒美に…

僕たちは風呂場の湯船にお湯を溜め、トレイに缶ビールを載せて、
贅沢にも昼間から酒風呂を楽しむことにしました。

酒風呂の定番スタイルである「頭にタオル」を乗せ、
ほろ酔いになりながらも、僕は既に3缶目を開けようとしていました。

それから彼女と他愛のない話を交わし、このロケーションに充実を覚えていたとき、
何か「違和感」という感覚に陥った僕は、「少し外の様子を見てくる」と言い、一旦風呂場から出ることに。


その違和感とは…

いつもだったら、僕たちがウニの前から姿を消すと、か細い声で鳴くのです。

さっき部屋中で走り回っていた疲れのせいで、鳴くことさえも面倒なんだろうとしばらく思い込んでいたの
ですが、もう一つの可能性も頭に過ぎり、僕はそれを確認しておきたくて風呂場から出ました。

残念ながら、予想は的中していました。

ウニの定位置スペースに彼の姿がない。
他の部屋にもウニの姿はなかったのですが、喚起の為に半開きにしていた「腰窓」の、
開けた覚えのない網戸が開かれており、その向こう側の隣の家の塀のてっぺんにウニの姿がありました。

「あーーっ…」

と声が出た僕にウニが気づき、しばらくお互いはそこから見つめあっていました。

「どうしよう…」

とりあえず、窓の方に体を近づけると、ウニは大勢を起こしました。


窓から手を伸ばすと、ぎりぎり塀には手が届く距離にウニがいて、
僕はそこからウニを引っ張り戻そうとしました。

状況が分からない彼女は、相変わらず風呂場でお酒とお菓子を楽しみ湯船に浸かっていた頃でしょう。

一方で…ウニが脱走したというこの状況の中、僕は一歩…一歩…とゆっくり窓に近づき、ゆっくりと手を
窓から突出し、ウニの体に届くまで手を伸ばしてみました…。


「もうちょっとや…あともうちょっとや…」

少しウニの毛に触れた途端、ウニは一気にそこから地面を蹴り上げ、全力で走り去りました。

「うーーわ…まじか…終わった…」

とりあえず、湯船に浸かっている彼女に状況を簡潔に報告し、僕は着替えて、すぐに家を出ました。

僕は脱走したウニを捕まえに、近辺を走り回る羽目になったのです。


つづき


ウニ。初めての病院。 [記憶]

気が付けば、ウニと彼女との暮らしが一週間を過ぎようとしていました。

僕も彼女も、性格上家出だらだら過ごすのが好きというか性に合っているというか…
休日は特にどこに出かけることもなく、のんびり暮らすことが多いのです。

そんな環境のおかげなのか、ウニはとても居心地の良さそうによくアクビをします。

口を大きく広げ、牙をむき出し、顔をくしゃっとしてまた口を閉じます。
そんなウニを見て、僕たちもよくアクビがうつります。

1月が終わろうとしており、僕たちは大事なことに気が付きました。

ウニを動物病院の検査に連れていかなければならないことを。

ウニを試しに飼ってみることを薦めてきた、あの親子を訪ねることにしました。
実はあの日、何かあったらいつでも相談してね、と親切に連絡先が書かれた紙をくれたのです。

それを頼りに、ウニを病院に連れていくことを報告し、何を聞けばよいのかなどをいろいろ聞き、
後日、彼女と二人でウニを最寄の動物病院に連れて行くことにしました。

人間以外を診察対応する動物病院に行くのは今回が初めてで、二人ともすこし緊張していました。

野良猫にも対応優しいとかで、地元でも有名なとある動物病院。

家の前にあるバス停からバスに乗って約5分の場所にある場所でした。


行列が出来ており、この病院の信頼性を少し感じ、受付の手続きを済ませました。


やがて順番が回ってきて、案内人に部屋を案内されました。

そこに立っていたのは、メガネを掛けた強面でマスクをした40歳ぐらいのおじさんでした。
格好からして、この人が直接診察してくれる医師なんだとすぐに分かりましたが、無愛想な表情だったので
すこし不安が募りましたが、それもすぐになくなり、先生は親切にいろいろと教えてくれました。

実は数日前、うにの片足が、地面から浮かして歩いていた様子を見て、その脚を見てみたのですが、
少し腫れ上がっていて、彼女と二人で心配をしていました。腫れている部分をちょっと触れるだけで、
ウニは口を大きく広げ叫び、その脚を即座に引っ込めようとするのです。

そういった出来事を先生に相談してみました。

先生によると…原因は外で生活をしていたときに、脚に何かが刺さっていて、そこからばい菌が入り込み、
炎症を起こしているでのはないかだそうです。

棘らしきものをピンセットで上手に抜くと、女性助手に抑えられているウニは痛みのせいか、
暴れ出すほど叫んでいました。

その様子を彼女と二人で見守っていましたが、見ていて少し辛かったです。

ピンセットで抜き終わったら、次は消毒液のようなものを塗り、その治療は終わりました。
そして、それに伴う薬を出され、食事に混ぜて食べさせてあげてねと指示を受け、ついでにワクチンと
去勢確認をしてもらい、病院をあとにしました。

野良猫を一時的に飼っている者には、治療費や薬費用を少し免除されるそうで、
その日は治療費と薬品代で2千ほどですみました。

洗濯ネットに入れられたウニは大人しく、久しぶりの人前だったせいか、緊張して疲れていた様子。

お疲れ様と声をかけてあげると、か弱い声で「ニャー…」と応えてくれました。

彼女も僕も少し疲れて、その日はバスに乗ってまっすぐ家に帰りました。

お疲れ様。

ウニ。

うにと僕とオンボロハウス…時々彼女?? [記憶]


うには相変わらずキョロキョロしている。

うにと暮らし始めて以来、仕事で初めて家を空ける事になりましたが、
彼女はうにの面倒を見ていると言ってお留守番してくれることに。

その姿勢は頼もしいが、若干不安だったりもしました。

勤務時間中、うにと彼女と家にことが気になり、なんどか彼女とメールでやりとりをしました。

「全然大丈夫だよ」

と余裕を見せつけられました。

その日の仕事を終え、同僚の食事の誘いを断り、真っすぐ家に帰ることにしました。

お家の前に着くと、部屋から明かりが漏れていて、少し新鮮な気持ちを持ち、部屋に入りました。

「ただいま」
「おかえり」

このやりとりも、今思えばこの日から始まったのだなと思い出に浸ったりします。

玄関扉を開けてる状態にしておくと、うにはすぐに脱走しようとするので、
僕が扉を閉じたのを彼女が確認してから、彼女はリビングの扉を開けてウニを解放する。

ニャーと鳴き、僕の足下まで駆け寄ってきました。

足の指先と仕事で履いていた革靴の底をクンクンと臭うウニ。
彼女が苦笑いしながら、僕の顔をちらりと見ました。

「別に臭くないしな…」

と強がってみたりと…。

臭いを嗅ぎ飽きたのか、次は僕にお腹を見せ、両手両足を上げて僕を一点に見つめます。

無情に可愛くなり、すぐにウニを抱き上げ、うにのホッペに自分の顔をこすりつけてみました。

予想はしてましたが、嫌がる様子はとても激しく、僕の腕の中から勢いよく抜け出しました。

「そんな嫌がらんでも…笑」

いや、そんな擦り付けやんでも…とウニは思っているはずですね。

その光景を彼女が見て微笑んでいて、その様子を見た僕も微笑ましくなり、
なぜなのか、この日からこの3人の暮らしがほんのりとスタートし始めたのです。




ウニと名付けられたその日 [記憶]

その猫が家族の一員として加わった初日、僕だけじゃ心配だということで、その日は一泊することになりました。

せっかくだったら名前をつけてあげないとね。

彼女がそう言いました。
彼女は、いつかペットを飼ったら海鮮系の名前をつけたいというわけのわからない願望があり、海鮮ベースの名前をいくつか候補にあげました。

サザエ?
いやもうありがちやん。

しじみ?
可愛げあれへんやん。

ワカメ?
……

やっぱそもそも海鮮事態があかんのんちゃうの?!

それでも彼女は海鮮ベースから脱線しようとしませんでした。
頑固というかなんというか、それが彼女の魅力的なところでもありますが。

じゃあ二文字は?
僕がそう提案すると、彼女は即座な名前を挙げました。

うに!

うに?

うん。ウニたん!
可愛いくない?

ウニか…
ええんちゃう!
ウニでいこ。

二文字で絞った途端、すぐに名前が決まってしまいましたが、名前をつけるのって案外こんなもんなのかと思いながら、僕に名前をつけたときの両親の様子をなんとなく想像もしてみました。

実は数分程で決められてたらどないしよ。と…笑

この日から、ウニと呼ばれるこの猫と僕とこのオンボロアパート、そして時々彼女との暮らしが始まったのです。

名前が決まった瞬間、僕たちはウニと連呼し、振り向いてくれるまで呼び続けましたが、ピクリとも反応してくれず、部屋を散策するようにあちこちとウロウロしてました。

落ち着かないのか、玄関に座り、ずっと扉を見つめてました。

その後ろ姿は、どこか切なさを感じさせ、これでよかったのかと少し自問自答することとなりました。

彼女たちの眼差しとウニと僕 [記憶]


しばらくして、玄関前でやつにあげるご飯を猫缶などの専用食に切り替えました。

そんなある夕方の日、彼女と玄関前でやつと戯れていた時でした。

「ニャンタだ!ねえお母さんニャンタがいるよ!」

母の手を繋ぎ、もう片方の手で猫を指し、そう言う子供の姿がありました。

「本当だ!ニャンタがいるね」

とお母さんも便乗して指を指しました。


やつを撫でてた手をすぐに放し、しゃがみこんでいた体をすぐに起こしました。


「こんにちは。」

僕はそう言い、飼い主さんなのかどうかを尋ねてみました。

「違うの。実は私たちも探していたんですよ。」

どうやら、僕たちがこの猫と会うずっと前から、
婦人とその子供が時間を見つけて餌をあげていたそうでした。

婦人、引き取ろうか何度も迷ったとそうなのですが、自宅には既に数匹の猫や犬でいっぱい。

ご主人にも相談をしてみたそうですが、さすがにこれ以上は…ということで承諾にならなかったそうです。

そう説明をしてくださった直後に、その婦人の目の表情が変わり、改まった眼差しで僕を見てきました。

「飼いませんか??」

ストレート過ぎる。会ってまだ間もない相手にそこまでストレートに言えますか?笑 すごい。

実は僕…猫アレルギーなんです。笑   そして彼女も猫アレルギー。

二人してアレルギーを持ち、その猫をたくさん触れたおかげで咳や肌の痒みが止みませんでした。

そういった理由を婦人に説明すると、さすがに納得された様子で、すぐに話題を変えられました。

しかしよくよく話を聞くと、猫の飼い方や慣れ方などといった内容の話で、
あたかもこれから僕たちはこの猫を飼いますという前提で話が進み、途中で置いてけぼりになりました。

でも…彼女は熱心に聞いていました。なんで??笑  え?なんでなんで?笑

婦人の話が終わると、次は彼女に真剣な眼差しで見つめられました…。

同様に、隣にいる婦人も僕を見つめてます。

「え…そうなん?そんな感じ?そうなんや…そっか…」

泣き寝入り…というわけでもないが、とりあえず試し飼いということで話が進み、
その日から、ウニと僕とおんぼろアパートの日々が始まったのです。


つづく





気持ち揺らぐ [記憶]

最近、こうした猫とよく会い、関わり、家に入れたこともあったということを周りに話してみました。

すると意外にもこんなことを言われたのです。

やめときな。
野生で生きてきた猫を人間の日常環境に巻き込むのはかえってその子にとっては酷だよ。

言っている意味が良く分からなかったのですが、それが解るまではそう時間はかかりませんでした。

僕には一年半付き合っている彼女がいます。
彼女にも同じようなことを言われたのですが、僕に懐くのは以前飼い猫だったのではないかと。
もしかしたら、既に飼い主がいるのではないかとも。


そうなると、これ以上関わることは許されないし、飼い主がいるならその届けを出さないともいけない。
しかし、首輪らしきものも、その跡も見当たらなかったのです。

飼っているわけではないが、定期的に世話をしてる人がいることも可能性があると考えました。


もう忘れようと思ったその日から、
そいつのことが頭から離れることはありませんでした。

しかし、それからやつを見かけることがなく、僕の記憶からやつが少しずつ遠のいていったのです。




そんなある日、彼女が家にくることとなり、駅まで迎えに行ったその帰り、玄関付近からニャーと鳴く声がしたのです。

もしかして…

声のする方へ耳を傾け、路地裏や車の下などを覗いてみたのですが、猫らしき姿はどこにも見当たりませんでした。

すると彼女のほうから、

あの子じゃないの?

とある方へ指を指しました。

彼女の指が指すほうへ目を向けると、腰高程の塀壁の上に、僕らをみつめるやつがそこにいたのです。


そしてやつはその塀壁から身を下ろし、ゆっくりと僕らに近づいてきました。

か細い鳴き声を発しながら、僕らに近づくやつを見て、僕は少し心が締め付けられる思いで切なさに浸ってしまいました。

「これが例の猫やねん。」

俺は彼女にやつを紹介した。

猫アレルギーを持つ彼女でしたが、
自分に甘えてくるそいつを見て、衝動的にそいつの身体を優しく撫でてました。



飼ってあげたら?





そう言った彼女に少し戸惑いました。



いやいや…せやねんけどなー



自分でも答えが出せないまま、
その場を濁らすような返事で場を凌いでみました。

なんの覚悟も持たないまま、僕がこいつと暮らすことなんて出来ない。

そんな自分に嫌気もさしましたが、
やはり結論は変わりませんでした。


ウニという野良猫 [記憶]

だいたいは玄関前で僕の帰り待つようになったその猫でしたが、
ある日玄関前から少し離れた場所に猫の群れの中にそいつがいました。

5~6匹ほどでしょうか。
僕に気づくと、みんな一斉に警戒の眼差しを僕に向けた。

警戒することにもされることにも慣れてしまったせいか、日常的なシーンにも思えました。

すると、そのうちに一匹が僕のほうにゆっくりと近づいてきます。

やつです。

玄関前で僕を待ち、お腹を見せて甘えん坊のポーズを取るやつが近づいてきたのです。

その時でしょうか。やつに出会ったのは、何か運命のような事に思えたのは。

僕はその日、初めてそいつを家に入れてみました。
扉を開けて、家に入ってみるよう招いてみましたが、さすがに警戒して様子。
しかし、一歩一歩ゆっくりと足を前に出し、玄関からキッチンのほうに進んでいきました。

僕はそれを後ろから見守りながら、後を追うようにゆっくり家に入っていきました。

リビングに入ると、真っ先に向かったのは合皮素材の2Sソファ。座面に飛び上がりました。

すると突然、座面をガリガリと爪研ぎをし始めたのです。

何も知らない僕は、慌ててやめさせようとしました。
するとやつはそれに抵抗せず、素直にやめてくれたのです。

しばらくするとソファから離れ、次はテレビボードの上にのぼり、
電源が入っていない画面真っ暗のテレビ画面と睨め合いっこ…笑

なんだか見ていて、ただただ微笑ましたかった。そんな記憶です。

やつが部屋でうろうろしている間、冷蔵庫の中からウィンナーを取り出し、
いつも玄関前で差し出している粒々ウィンナーをお皿に入れてやりました。

お腹が空いていたのか、それに気づいたやつはすぐに飛びついてきました。

ウィンナーをむしゃむしゃと食べている間、僕はその様子を見ながら考えてました。

このままこいつをここで飼ったら暖かいし、ご飯も食えるし、お水も飲めるし。

しかし、そんな空想を現実が容赦なく突き刺してきます。

あかん、あかん…

僕はすぐにその考えを切り捨て、食べ終わったやつをまた外に出してやりました。

奴は、玄関で立ちすくむ俺を振り返って見つめ、どこか寂しそうな表情をしていました。

ごめんな…
あかんねん
あかんねん…

心の声が、そのまま声帯を介して、言葉として漏れていました。

ウニとの出会い [記憶]

ブログをご覧の皆様、こんにちはρ(・ω・、)

二日目のブログとなりますが、引き続きご覧頂けてますでしょうか??笑

初めての方は、是非「ウニと僕とオンボロの始まり」からご覧頂けると嬉しいです(*′皿`艸)

まぁ、誰になんのメリットもない暇つぶしのブログになるので、何も期待に応えれないですが、
気長に何となく「ブックマーク」して頂けるだけでももの凄く嬉しいであります(∥ ̄■ ̄∥)笑

さて、「ウニ」とは僕と住んでいる愛猫のことですが、こいつとの出会いは昨年の12月の時★

キャンドルやネオンで賑わったクリスマスの余韻が町中で漂う中、
世間は大晦日の準備へと入り出した12月下旬の頃でした(o_ _)o

「仕事納め」の帰り、いつも電車にのって、いつもの駅で下りて、家路を辿って帰っていましたが、
僕が住んでいるボロアパートの玄関扉の前に、一匹の猫が横たわって僕を一点に見つめていました。

今思うと、それがウニと僕の最初の出会いでした★☆

猫嫌いだった僕は、警戒しながらもその猫に近づくと、横たわっていたそいつもゆっくり立ち上がり
互いに警戒し合い、若干ファイティングモード直前までになりました。笑

その後、そいつはすぐにその場所から走り去り、近くの路地裏へと消えていったのです。

上京して、今のアパートに住んでもう3年が立ちましたが、今まで玄関の前に猫がいたことなんて
一度もなく、珍しいなという気持ちのまま、家に入りました。

その年の大晦日は、彼女の実家にお邪魔させて頂くことになり、1日家をあけてました。

無事新年を迎え、年が明けた二日後にオンボロアパートに戻りました。

すると、また玄関扉の前に例の猫の姿があったのです。
同じ顔をした猫なので、「またか…」とすぐに警官モードに入り、そーっと近づきました。

しかし、今回は奴は警戒を示さなかったのです。
むしろ、横たわっていた状態から、僕のほうに向けてくるりとお腹を向けたのです。

猫のことなんて何も知らない僕でしたが、これを俺に甘えてるなと察しがつき、
僕はすぐに警戒モードが解けました。

「なんや?甘えてんのか?どないしたん?」

そう声をかけると、やつはまた一回転くるりと一周して、自分のほうにお腹を向けました。

無情にもその姿が可愛くて、触れようとしてみましたが、
奴は警戒することなく身を僕に任せていた様子…可愛い。。その時はただただそう思ってました。

寒空の下、やつの身体も若干冷えていて、このまま外に置いておくのも可哀想と思ったのですが、
人間以外の動物を家に入れたことがなかったので、少し戸惑いながらも、冷蔵庫にあった食料を
お皿に入れ、玄関前の地面に置いてみました。確かその時はソーセージを細かく切ったもの。

最初は凄く警戒をしてましたが、匂いを嗅いで大丈夫と思ったのか、空腹を埋める一心ですぐに
そのソーセージをむしゃむしゃと食べ始めました。可愛い…その日は二度もやつにそう無情にも
思ってしまったのです。

この日からウニとの距離が縮んでいきましたね…。うんうん。☆ヽ(o_ _)o

ここからの続きはまた次回♪♪

ͽ⬐

ウニと僕とオンボロハウスの始まり [記憶]

ブログをご覧の皆さん、初めまして。

僕には愛する猫「ウニ」が家にいて、そのウニと過ごす日常をブログに書き綴りたいと思ってます。

このブログをご覧になられている読者の中にも、猫や犬、その他のペットを飼ってる方がいらっしゃる
と思いますし、そうでない方でも暇つぶしに読んで頂けると嬉しく思います★☆

まぁ…自己満足な中身で更新していくつもりでして、ある程度内容が積もってくればそれを原本に
して自分の財産にしたいとも考えてるんで、つまらんと思う部分もあるかと思いますが、どうぞ気楽
に何となくゆるーく読み続けて下さればと思ってますヘ(*--)ノ


これからはこのブログでも僕の愛猫を「ウニ」と呼ばせて頂きますね(o゜―゜)o

今年の1月初旬頃、僕はウニと暮らし始めました☆

猫が嫌いだった僕が、ウニと暮らし始めたのは今となっても時々不思議に思えてきます(ノД`)

そんなウニと暮らし始めてからもう半年を過ぎようとしていて、
それまでの記憶を今の内にここに書き残したいという気持ちもあるんです(^―^)☆★
記憶力悪いほうですから、その手段が自分にとっては良いですし、少しでも共感して頂ける方も
いると嬉しいですしねm(__)m♫♪

それでは、「ウニと僕とオンボロアパート」のブログを始めて参りたいと思いますので、
どうぞ長いお付き合いを宜しくお願いいたします^^

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